ENGINEER(エンジニア)
19世紀半ば、ゴールドラッシュが西武開拓を加速し、アメリカの国土は急速に拡大し、拡がった国土の大動脈として鉄道網がはりめぐらされた。木材や石炭を燃やし、水蒸気で動力を得、何十トンもの鉄の塊を高速で走らせる蒸気機関車である。それを運転する鉄道機関士(レイルロードエンジニア)は男らしい職業として子供たちのあこがれであった。
彼らのために設計されたブーツ、エンジニアブーツがレッド・ウィング社のカタログに登場したのは1936年のことだ。足首に靴を密着させねいプルオン・タイプで、フィットを調節するアンクルストラップとブーツにタックインしたズボンの裾を留めるシャフト(筒)上部のストラップの付いたブーツである。機関車のボイラーや火室から出る蒸気や炎にまみれて仕事をするレイルロードエンジニア達が求めていた靴であった。
時代が変わり、蒸気機関車の役割が自動車にとって代わられると、そのユーザーはトラックドライバーなどに変わっていったが、エンジニアブーツは代表的なワークブーツのひとつとして少しずつ進化を続けた。#2268はスティール・トゥを備えた頑強なエンジニアブーツとして1961年に発売され、幾度かのマイナーチェンジを経て今日に至っている。このエンジニアブーツ#2268にレッド・ウィングを代表するレザーである、オロラセット「ポーテージ」を使用したモデルがこの#8271だ。1995年に90周年モデルとして発売され、その後、2002年にも再販がなされているが、惜しまれつつも製造を中止していたモデルとなる。
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