Blacksmith(ブラックスミス)
19世紀中旬から始まったアメリカの西部開拓は、アメリカを急速に拡大・発展し、今日の姿にする躍動期の始まりでした。
その変貌を支えたのが多くのヨーロッパから流入した移民を含む、新たな人々の労働力であり、彼らの多様な姿は、ワークブーツはもとより、当時のワークウエアが示してくれています。
そうした多様なワーカーの姿の中に、当時あらゆる町にあった鉄工所(アイアンワークス)で、様々な道具や機械を造り、直し、販売する、ブラックスミス(鍛冶職人)があります。
ブラックスミスは他の多くのワーカーや農夫と同様、低い所得で、極めて質素な生活を送り、そのワークブーツも、最も安価でかつ丈夫なものを選ばなければなりませんでした。そうした最もベーシックなワークブーツの型であったのが、硬いラバーのソールを持つ、6インチ丈の、ラウンド・トゥまたはキャップド・トゥのレースアップのブーツです。
このブーツは、その普遍性のゆえに、ワークブーツがコストや軽量化を求め、新素材・新製法のものに変わった1980~90年代まで、もっとも普遍的なワークブーツのスタイルとして、あらゆる職業のワーカーに親しまれていました。