レッドウィング クラシックドレス・ライン
ベックマンブーツを中心とするレッドウィングのクラシックドレス・ラインは、社の創業期、20世紀前半の靴をベースに、今日のレッドウィングの靴作り、素材、テイストをミックスさせてつくられたものです。
レッド・ウィング社は、1905年、開拓記のミネソタで創業しました。当時の靴は、ワークブーツやハンティングブーツでさえ、レザーソールのものが多く、ドレスシューズとの違いはわずかでした。そんな時代のアメリカ開拓期の靴をベースにしているため、「クラシック・ドレス」とはいっても今日の典型的なドレスシューズとは異なる、どこかワークブーツに通じる趣を持っているのです。
新商品「ジラード」は、20世紀初頭にアメリカの開拓地で紳士靴の主流であった6インチ丈のブーツで、同じく開拓時代よりのアメリカ靴の伝統であるモックトゥを持つのです。
●ワンピースモック
レッド・ウィング社では、ワークブーツ、ワークオックスフォード等のモカはグッドイヤーウエルトでソールを縫い付けるミシンと同じミシンを使用して縫いますが、この「ジラード」の場合は、SINGER社のPACミシンを使用して縫っています。平らなバンプ用の革のモカとなる箇所にエンボスマシンで起伏を付け、PACミシンの3本の糸が複雑に絡み合ってつくられます。この製法が、同じワンピースモック(一枚革のバンプにエンボスやステッチでモカのシェープを加えるもの)のワークオックスフォードとは異なり上品な雰囲気のモカとなります。
●210番ラスト
靴の本質を決定するラスト(木型)はポストマンシューズに使われる210番ラストを使用しました。現在使われているレッド・ウィング社のラストの中では最もタイトなフィットで、ドレス色の濃いラストです。
●グロコードソール&ヒール
グロコードソールはオハイオ州のリマ・コード・ソール&ヒール社が1920年代にレッド・ウィング社のために開発したラバー製のソールです。コード(紐)の切れ端をラバーに混ぜて成型しすべりを防いだ事で、ワークの現場やハンティングのフィールドでの靴の性能を大きく高め、レッド・ウィング社の売り上げに大きく貢献しました。
1920年代後半には、いくつかのトレッドパターンのものが開発され、その機能の幅を広げました。このグロコードソールが、時代を経て、今日のレッドウィングのコルクソール、コードソールへと発展したのです。
「ジラード」では、ソールに合わせたグロコードヒールを新たに開発し、使用しています。